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中野 明安

トイレからはじめる防災ハンドブック

2024/02/29

トイレからはじめる防災ハンドブック

 能登半島地震から2ヶ月が経ちましたが、まだまだ現地の状況は大変そうです。先日、土木の専門家の先生が能登半島の被災地珠洲市を訪れたそうですが、震災後しばらくは金沢から珠洲市に行政や復旧の方々が入るのに片道9時間かかっていたようですが、先日はそれが3時間半くらいになって少し楽になったと言われました。いや、いずれにせよ大変です。

 そのような被災地で必ず被災者が直面すると言われるのがトイレ問題です。私の知人で加藤篤さんは「トイレット博士」とか「うんち博士」とか言われているのですが、NPO法人日本トイレ研究所の代表理事をしています。その加藤さんが2月に「トイレからはじめる防災ハンドブック」を上梓されました。

 
 今回は、その前書きを了承を得て、転載しご紹介します。


 「近年は、大雨や豪雨等で毎年のように甚大な被害が発生しています。また、首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震など、大規模な災害の発生が危惧されています。

 このような災害が起きたとき、真っ先に守るものは命であることは言うまでもありません。では、その次にすべきことは何でしょうか?

 これまでの災害を踏まえれば、それはトイレ対応です。発災後の早いタイミングでトイレ問題が起きているからです。しかし、被災地のトイレ問題の映像をテレビで放送することが避けられていることもあり、多くの人はトイレ問題の実情や深刻さをい知る機会がほとんどありません。

 トイレ問題は感染症や関連死、治安悪化を招きます。また、不衛生な状況下では、医療も食事も生活も成り立ちません。災害時は、水や食料の確保、体調のケア、お金や仕事の工面など、生きていくためにやらなければならないことが山積です。トイレは衛生の要であるとともに、唯一ひとりになれる空間でもあります。だからこそ、トイレを安心できる場にしたいというのが私の考えです。」

中略

 「トイレは命と尊厳に関わります。災害時でも安心できるトイレ環境を確保できるように一緒に取り組みましょう。」



 事業者の皆さんも事業継続にトイレ問題は欠かせないと思います。ぜひ、ご一読をお願いしたいと思います。

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