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中野 明安

またまた水害のシーズンがやってきました

2023/09/29

またまた水害のシーズンがやってきました

 表題では、水害のシーズンと書きましたが、年中そのような心配をしている状況ですので、シーズンではないかも知れません。しかし、それであればなおさら、BCP的には準備が必要です。BCPだよりでは、何度も取り上げていますので、バックナンバーをみて、記憶を蘇らせていただきたいと思います。

 以下は2019年の令和元年台風第19号のときの事業継続に支障が生じた例です。
✓ 製造業 スバルでは、群馬製作所(本工場・矢島工場・大泉工場(一部工程を除く))の操業を10月16日15:15以降停止、10月25日再開。
✓ 小売業 コンビニ・スーパーでは、東北・関東・甲信の一部店舗で一時営業停止。
✓ SS(サービスエリア) 1都14県に所在する元売系列のSS約9600箇所のうち、冠水や停電等により、営業停止しているSS数は688箇所(約7%)
✓ トラック関係 135事業者で営業所、車両等の浸水被害
✓ 宅配業者 4事業者全国的に集配遅延等(10月13日16:30(国交省第5報)~10月17日14:30(国交省第14報))以降は東日本を中心に集配遅延等
✓ 路線業者 3事業者12都県(10月21日14:00(国交省第20報))をピークとして、集配遅延又は見合せ(以降3事業者で集配遅延又は見合せが続く)
✓ 金融 浸水等により、6金融機関7店舗が営業停止。26金融機関83箇所のATM(コンビニATM含む)が休止。郵便局27局 が営業休止。(金融庁情報:10月24日15:00現在)
(出典:国土交通省 「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会(第1回)」(令和元年11月)より)

 水害を含む気象災害の特徴は、突発的な地震による災害と異なり、水害の場合は発災まで一定の時間があるため、初動対応により応急的な浸水防止措置や避難行動が可能ということです。つまり、逆に、準備ができるのにしなかったために事業継続に支障を来した、という場合には、社会的な非難は地震被害よりも厳しいものとなるということです。

 ぜひ、水害に対応できるようBCPを確認しておきましょう。

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