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新型肺炎の拡大が止まらない!どうする3月からの株主総会!?
2020年2月28日
弁護士 中野明安
中国の武漢(Wuhan)で発生した新型コロナウイルスの感染が日本を含む全世界的に拡大していますが、企業の皆さんの喫緊の課題は株主総会です。国内でこのまま3月以降も感染状況が継続しそうですので、不要不急の外出の自粛、集会の自粛なども引き続き出されることが予想されますが、一方で多くの企業では、株主総会の開催が、今後、3月から6月にかけて予定されています。そこで、株主総会は開催せざるを得ない(業務継続)との前提で、その運営について感染防止対策(安全配慮)はどのように実施されるかを検討することが求められることになります。そこで、今回は、2009年の新型インフルエンザ対策時の株主総会の状況を参考にして、以下のような総会運営を検討されるべきことを提案します(なお、丸の内総合法律事務所としての提案ではなく個人的な提案です。)。
もちろん、各企業では今後の状況の変化に備えていただきたく、全部あるいはいくつかを組み合わせて、またここに掲げた方法以外の方法なども実施するなどして、積極的に対応をしていただきたいと思います。
(1) 自社ホームページや招集通知において議決権行使書やインターネットによる議決権行使を積極的に促す。また、それらによる議決権行使を誘引するために、
① 行使書等による議決権行使は新型肺炎蔓延防止策の一環であるという積極的意義を説明する。
② 従来、総会に出席した株主に慣例的に提供しているいわゆる「お土産」について、今回は予定しないことについて併せて説明する。
③ 一方、状況等によっては、行使書等による議決権行使をした株主にクオカード等を贈呈するなどの対応を試みる。
等を検討することにしてはいかがでしょうか。なお、これらについては新型肺炎対策をかたり、他の目的で実施することのないよう、弁護士などと十分に検討しつつ対応をしてください。
(2) 株主総会の会場となる施設の保健衛生面を確認する(ドアノブ、座席、マイク等の衛生チェック。空調・換気の確認等。)。さらに座席の配置方法(通常よりも間隔を開けて設置する、あるいは、隣の株主と一席空けて座るなどの対応を求めるなど。)を検討することが良いと思います。
(3) 総会の受付担当者、会場担当者は、不織布マスク、シールド、ゴーグルを装着し、感染防止策を講じることが良いと思います。また、そのような防止策を講じることを快く思わない株主(俺をばい菌だと思っているのか!とカラむ人がいたとか。)がいることも想定し、必要な掲示をしておくことも検討しておいてください。
(4) 総会場の入口において、アルコール消毒剤等を設置し、出席株主に利用を勧め、また、不織布マスクを提供することが良いと思います。
(5) 総会場の入口付近に「発熱あるいは健康状態が思わしくない株主はお申し出下さい。」との掲示をし、担当者も、口頭で呼びかける。また、申出がなくても、積極的に声掛けをすることが良いと思います。
(6) 健康状態が思わしくない株主については別室(今回は、株主控え室を設けず、当該別室を用意する。当該別室には医師を同席させるなどの対応を準備する。)での参加を案内します。ただ、発言機会を別室から与えることが必要となるので、その準備をするが必要となります。
(7) 株主総会の短時間化を図ることも検討課題です。但し、株主の発言時間を短くするのではなく、報告事項の報告(特にビデオ等の会計の説明など)等の時間の短縮を検討するようにしてください。
(8) 株主総会の終了後、退場者による混雑を回避する措置を講じることも重要です。座席のエリアを指定して順次退場を求めるなど、議長および会場案内等で積極的に呼びかけるなどしてください。